ベネッセアートサイト直島(1日目)
今回の旅行は初の一人旅。いつか一人で行こうと決めていた直島へ。
前回直島を訪れたのは芸術祭開催期間中だったのでどこも凄い人だかり。
待ち時間ばっかりで日帰りでは全て見ることができなかったので再チャレンジです。
朝6時に出発して9時に宇野港着。かなり覚悟して来ましたが、
この人気のなさ。。えっ!?もしかして空いてる??・・・期待が高まります!
フェリーで宮ノ浦港へ
草間彌生さんの赤かぼちゃが見えてきました。
本日の宿のご主人に港まで迎えに来ていただいて車の中で一緒に予定をたてます。
宿に荷物を置いて、自転車をお借りしてさぁ出発です。
まず最初に地中美術館。
宿のご主人に教わった山の中の近道を自転車で登ります。
長い登りに断念したところで、大きなゴミ箱発見!
三島喜美代:「もうひとつの再生2005-N」2001-2005
その前の直島ダムの辺に、安藤忠雄設計のトイレ
なんだかちょっぴり得した気分でいよいよ地中美術館到着。
今回2回目の鑑賞でしたが、同じ作品に触れても、前回とはまた少し感じ方が違いました。
前回、ジェームズ・タレル:「オープン・フィールド」が【内から外】なら、
ウォルター・デ・マリア:「タイム/タイムレス/ノー・タイム」は【外から内】と感じていました。
今回の「タイム/タイムレス/ノー・タイム」。
ここは完全な一人でした。暫くの間作品の中にいることができました。
自分の息すら聞こえないような静まりかえった空間の中で、たくさんの音のない音が聞こえてくるような感じがしていました。
この美術館、展示作品数は少ないですがその分ゆっくり感じることのできる素敵なところ。
今回は人もとても少なく、あまり他の人と一緒になることもありませんでした。
最後に地中カフェへも立ち寄って、テラスの清々しい空気に触れてきました。
さて、地中美術館の後は自転車で勢いよく下って、李禹煥美術館へ。
自然の中に溶け込んだ、しん と静まり返った力強さを感じます。
李禹煥美術館、前回来たときはもの凄い人で、正直あまり感じることができなかったところ。どうしようかちょっと迷ったけど、入って大正解。
2つ目の部屋「沈黙の間」。 とても、とても素敵でした。
珍しく館内で鑑賞者が私一人だったらしく、
全て観終わった後にスタッフの方に声を掛けられいろいろお話することができました。
「沈黙の間」、本日の快晴とちょうどお昼の時間、そして一人。という最高のタイミングがもたらしたもののようです。
続いて、前回は回らなかったベネッセ内の屋外作品へ。
その途中ちょっぴり寄り道。
がしかし、写真を撮ろうと止った途端、虫たちにたかられるのでほんのちょっとで急いで退散。。。
蔡國強:「文化大混浴 直島のためのプロジェクト」1998
ここの浴場、ベネッセ宿泊客は入浴できるって本当でしょうか??
ベネッセ内にはたくさんの屋外作品があり、宿泊者以外でも観れるものが結構あります。
ジョージ・リッキー:「三枚の正方形」1972-82
かなり大きな彫刻ですが、これ風にゆらゆら揺れてキラキラ光ります。
大竹伸朗:「シップヤード・ワークス 船尾と穴」1990
小休憩の後は自転車で少し移動して、黄カボチャへ。
その途中、また屋外作品発見!
ベネッセ内のビーチ、とても素敵です。ベネッセハウスいつか泊まってみたいな。
そして、草間彌生:南瓜きいろ
この後はいよいよ今回の本丸、本村家プロジェクトへ。
それにしてもこの炎天下でのチャリ移動、かなりキツイです。。。
家プロジェクト、最初はなんといっても、ジェームズ・タレルの「南寺」
前回は入ることができなかったので、今回の旅のメインです。
目を開けてるのか閉じているのかもわからないような暗闇で、
自分という物体の境界線すらもわからなくなってくるような感じがしました。
見えなくなってしまうと自分の体はすっと溶けてなくなってしまうような。
まさにあの井戸の中の暗黒と静けさを実体験。
どれほどの時間がたったのかわからないうちに、だんだん見えてくる光。
そして、その光が後から現れたのではなくずっと初めからそこにあったということに気づく衝撃。。。
全ては錯覚に過ぎず、暗闇だと思っている中にも光は存在する。
見えないのではなく、見えていないだけ。
見えすぎてしまっていることで見えていないことがたくさんあるのです。
大竹伸朗:「はいしゃ」
実は、「南寺」での衝撃に対応能力を使い切り放心状態。
この2つちゃんと見れなかったと思う。
これから大きくなるスイカ。
お昼はスコーンしか食べていなかった事を思い出し急にお腹がすいたので、
宿のご主人の弟さんがされている手打ちうどんの「山本うどん店」へ。
お勧めは肉うどんとのことでしたが、暑かったのでざるうどんを注文。
うどんの後は、宮ノ浦をちょっと散策。
大竹伸朗:直島銭湯『I♥湯』
宿のご主人お勧めのお店で夕食を済ませた後は、
地中美術館のオープンスカイのナイトプログラムへ。
辺りが薄暗くなってきた夕暮れから日没までの約40分程の鑑賞。
空の色の変化とともに、人口的な光のプログラム。
人口的な光によって、壁の色がうっすら黄緑色のような白から、少しずつ熟した桃のような色へ、
空が暗くなるにつれて、壁の色もまたゆっくりと変わってゆきます。
自然の光、そして人口の光、その色の変化はとても微妙でそれらはすべてゆっくりと移りゆきます。
時間とともに同じように見えてもそれらは全て同じではなく、そして再び出会うことのできない移ろい。
とても素敵なナイトプログラムでした。
こうしてとても長い1日目が終わりました。