dense fog

始めはほんの繋ぎくらいの気持ちやった。
調度彼氏と別れたとこやったし、次見つかるまでって軽い気持ちやった。


楽しかったし、あっという間に当然のように好きになった。
無責任に何も見えなくなった。



『家を出る』と言われたとき、ちょっと戸惑ったけど、
『お前には関係ない理由や』と言われ、納得した。
いつか元に戻るのだろうと漠然と思ってた。


いつも一人の彼に、
『お前がいてくれてよかった』と言われ、離れられなくなった。
必要とされている間はここに居ようと思った。
彼が今より少しでも幸せになりますように。
ただそのことだけを思ってた。



気がつけば私のほうがすっかり依存してた。
気がつけば彼の為にと思っていたことが私の為になってた。
気がつけば彼のことなんて見てなかった。
気がつけば自分のことしか考えてなかった。


気がつけば必要とされなくなってた。



彼が今より少しでも幸せになりますように。
ただそのことだけを思ってた。


彼が今もそしてこれからも幸せでありますように。
今はただそう願ってる。