ダンス・ダンス・ダンス

ダンス・ダンス・ダンス(上)

ダンス・ダンス・ダンス(上)

ダンス・ダンス・ダンス(下)

ダンス・ダンス・ダンス(下)

「ゆっくりとしかるべき時が来るのを待てばいいんだ。何かを無理に変えよとせずに、物事が流れていく方向を見ればいいんだ。そして公平な目で物を見ようと努めればいいんだ。そうすればどうすればいいのかが自然に理解できる。でもみんな忙しすぎる。才能がありすぎて、やるべきことが多すぎる。公平さについて真剣に考えるには自分に対する興味が大きすぎる。」

「言葉にならないものを大事にすればいいんだ。それが死者に対する礼儀だ。時間が経てばいろんなことがわかるよ。残るべきものは残るし、残らないものは残らない。時間が多くの部分を解決してくれる。時間が解決できないことを君が解決するんだ。」

僕と鼠のシリーズ4作目たぶん完結編。
僕とも長い付き合いになってだいぶ理解が深まってきたのか、
それとも僕の年齢と私が近くなってきたからなのか、
このシリーズの中でいちばんしっくりと読み進めることができました。

読んでる最中から、読み終わってなお、
なんとなくあったかい気持ちになるのはなんででしょうか。
この温かさ、今まで読んだ村上春樹の作品の中では初めての感覚です。

とても素敵な作品でした。
今からでもまたもういちど読みたい。

無人島へ持っていくものリスト入り確定。