おはようございます。○○党でございます。ありがとうございました。おはようございます。○○党で……

通勤ラッシュの最中、街頭で斜めに襷をかけた女性が、まるでテープレコーダーを再生しているかのように同じフレーズを繰り返し繰り返し。
この人は誰だろう。全く見覚えがない…。

なるべく目が合わないようにうつむきかげんで前を通り過ぎ、小さくなっていく声を背中で聞きながら口元を少しだけゆるめて笑ってしまった。
いったい何のお礼なんだか。誰に言っているのか。